2022.03.16  【責任編集】ラーニング・ツリー日本のSEはプロジェクトマネージャとビジネスアナリスト?

日本ではSE(システムエンジニア)という肩書で業務を行っている人たちがいます。30年近く前、このSEをさせる為に、多くの企業で学んできた専門とは関係なく入社した新入社員をSEとして業務を与え育ててきた文化があります。このSE(エスイー)と呼ばれる人たちは、一般的にプログラマーと呼ばれる方たちと混同されて違いは何かなどネットで見ることができまが、日本での言われるこのSEと呼ばれる人たちはどの様な仕事をしているのでしょうか?

SEと言われる人たちの役割

大雑把に言うと、SEの業務は顧客と会話し、顧客の求める要求を確認し、そこから求められている成果物となる製品の仕様を決定し、仕様に基づき、大まかな設計を行います。更に、その設計に基づく開発の指示、予算管理、進捗管理も行います。会社によっては、出来上がる製品の試験仕様を確認し、出荷試験にも関わり、更に顧客への受け入れ検査にも立ち会います。

言葉で書くと、まるでスーパーマンで、SEと呼ばれる人たちはどれ程の責任と業務をこなす必要があるのでしょう!

しかし、このSEという仕事(上記に記載したようなすべての業務に関わる)をする人は日本にしかいないのをご存じでしょうか?

SEはプロジェクトマネージャであり、ビジネスアナリストでもある

SEの仕事内容を見てみると、まるでプロジェクトマネージャでもあり、ビジネスアナリストでもあります。

日本では、SEと呼ばれる業務はシステムに関する“何でも屋”としてその個人の能力による力業(ちからわざ)でこなしてきているのです。

専門職として世界的に資格制度まであるプロジェクトマネージャという業務やビジネスアナリストという業務を個人の能力にのみ委ねて実施してきているのです。

歴史的な(又は文化的になのかもしれませんが)背景がある事は仕方が無いしにしても、専門職として役割を果たす人員がいるプロジェクトと、個人の能力でこなすプロジェクトではやはり大きな差が出しまう事は否めないでしょう。

SEにも良い面がある?でも餅は餅屋!

ただ、このSEという業務が全て悪いと言うつもりもありません。

良い点として、1)少ないメンバーでプロジェクトをこなせる。

       2)プロジェクト伝達に関わる部分が削除できる部分がある。

       3)専門職の中で役割の範囲などで衝突などが起こらない。

等、挙げられると思います。

とはいえ、個人商店でない限り、やはりプロジェクトマネージャやビジネスアナリストなど専業としてその役割の一つ一つを理解して働く人員がいるプロジェクトとでは、業務の進め方、チーム同士のコミュニケーション、顧客からの要件の引き出し、進捗管理、リスク管理などあらゆる点において、問題が出たときの対応に差が出てしまうと思います。

餅は餅屋なのです。

プロジェクトマネージャとビジネスアナリシスの協業

日本でも、SEの代わりにプロジェクトマネージャやビジネスアナリストの認知度が上がり、よりビジネス状況にマッチした形でのプロジェクトにおける専門的な役割を担う方々が出てきています。まだ、多くは無いですが、専門性が出てくると各々の業務範囲・内容や互いの役割などの重複に対する衝突のような問題が生じることが起こり始める場面が少しずつ出てきているとも聞きます。

従来、日本独自のプロジェクトが多かったですが、昨今は“グローバル化の中でのプロジェクト”です。否応なしに海外では当たり前の専門職としてプロジェクトには海外のプロジェクトマネージャやビジネスアナリストはやってきます。共通のゴールに向かって、それぞれの役割を予めきちんと認識しておくことが、先ずは求められることであり、更に縦割りではなく、互いの協力関係を強化できる柔軟性をもっている事が必要です。

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