【活用事例】株式会社ディー・エヌ・エー様

 

株式会社ディー・エヌ・エー 常務執行役員 兼 CTO システム本部 本部長 小林 篤氏(写真左)
株式会社ディー・エヌ・エー システム本部CTO室 プロジェクトマネジャー 二ノ宮里子氏(写真右)

株式会社ディー・エヌ・エー

設立:1999年3月4日
本店所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ
代表者:代表取締役会長 南場 智子
    代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
URL:https://dena.com/jp/

もくじ

  1. 社会に新たなDelightの創造・提供を届ける
  2. PMの視点やノウハウを体系的に学びたいというニーズ
  3. 2ヵ月でPM研修を導入
  4. 全社員を対象に挙手制で募集
  5. PMの業務範囲の広さに気づく
  6. 第一歩を踏み出せるところまでをサポート
  7. 中級の上位レベルのPM研修も検討

社会に新たなDelightの創造・提供を届ける

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株式会社ディー・エヌ・エーがある渋谷ヒカリエ

1999年創業の株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)は、「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」のミッションのもと、エンターテインメントと社会課題領域の両軸で事業を展開しています。
ゲームを中心としたエンターテインメント領域で培った課題解決メソッドを応用し、社会保障費軽減に向けた持続可能なヘルスケアサービスや、スポーツを軸とした賑わいのあるまちづくりのほか、社会のさまざまな課題解決を支援しています。

サービス開発だけでなく、AIを含めたデータの高速利活用と独自の顧客行動分析を通じ、利用継続率の向上を図り、新たな付加価値を生み出すサービス運営が強みです。
また、パートナー企業や官公庁とのアライアンス事業も積極的に展開し、お互いの強みを生かした課題解決とビジネス成長を目指しています。

「主な事業領域はゲーム、スポーツ、ライブストリーミング、ヘルスケア、オートモーティブで、バーチャルからリアルな事業まで、一貫して社会に新たなDelightの創造・提供を届けていきます。」(小林氏)

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PMの視点やノウハウを体系的に学びたいというニーズ

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「PMの視点やノウハウを体系的に学びたいという声もあがっていたのです。」と小林 篤CTO

インターネットサービスを中心にさまざまな事業を展開しているDeNAでは、バーチャルとリアルをどうインターネットのテクノロジーを使って融合していくのか、さらにAIをどのように活用していくのかを重要視した開発に積極的に取り組んでいます。そうした中で必要性が高まってきたのが、プロジェクトマネジメントでした。

「日々、数多くのプロシェクトが遂行されている中、比較的大きなプロジェクトでは経験豊富なプロジェクトマネジャー(以下PM)が選任でアサインされていますが、決して大勢いるわけではなく、小規模プロジェクトでは、エンジニアや企画メンバーがPMを兼務していました。
扱っている事業レベルの複雑さが増したり難易度が高まっている中、生み出されるプロダクトのクオリティ、お客様に届けて満足いただけるものを作り上げて行くには、いままでのやり方だと少し難しくなっています。いままでの経験から見様見真似で、あるいは独自に勉強をしてプロジェクトマネジメント業務を行ってきましたが、社内的にプロジェクトマネジメント教育をした方がよいのではないかという意見が出てきました。」(二ノ宮氏)

「専門性を重視した一定レベル以上の社員が集っていますので、プロジェクトにおいてはなんとかなっていました。こうしたやり方だと、どうしても後工程に負荷がかかりやすくなります。私としては、メンバーのワークライフバランスを見ながらプロジェクトを進めていかなければならない、という思いがありました。また、PMを担当するメンバーのニーズとして、PMの視点やノウハウを体系的に学びたいという声もあがっていたのです。そこで、二ノ宮に研修メニューを企画するよう指示しました。」(小林氏)

二ノ宮氏の前職の企業はPM研修に力を入れており、プロジェクトマネジメントの知識はもちろん、豊富なPMとしての経験があったので、小林氏は二ノ宮氏に研修メニュー作成を指示したという背景もある。

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2ヵ月でPM研修を導入

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「1回で終わりではありませんから、会社対会社でおつきあいできるところを選びました。」と二ノ宮里子氏

「小林の意向を受け、PM研修を考えるにあたり、何点か要件を考えました。
まず、プロジェクトマネジメントの知識があることと、教えることは別だということです。プロジェクトマネジメントを教えるためのトレーニングをきちんと積んでいて、バックグラウンドでPMとしての素養があり、弊社が望むPMの様相をくみ取っていただける方でないと、講師としてふさわしくないと考えました。
さらに弊社は業務領域が広く、単にシステム開発といっても、AIやエンタメ、スポーツなどもありますので、その内容をお伝えしてきちんとキャッチアップしてくれること、取引先としてグローバル展開しているところもあり、その要素も汲み取ってもらう必要があります。」(二ノ宮氏)

研修依頼先を探すために二ノ宮氏が参考にしたのはPMI日本支部のWebサイトでした。そこに掲載されている研修会社を複数ピックアップしました。

「3社ほどピックアップして、問い合わせをしました。打ち合わせを進める中で依頼先として選定したのが、ラーニング・ツリーです。決め手となったのは下記の4点です。

1. 会社対会社できちんとおつきあいできるところ
 →1回で終わりではなく、継続して続けていくことが前提だったため。
2. 外資系企業でグローバルに事業展開しているところ
 →グルーバル展開への対応力、理解力が必要。
3. 営業力、企画力があり、弊社のニーズにしっかり応えようとしてくれるところ
 →弊社のこまかな要望、ニーズをきちんとくみ取り、研修に反映できる力。
4. 最適なPMキャリアを持つ講師の存在
 →ベテラン過ぎず若過ぎず、最新の知識・情報を持ち合わせ、現場感覚があること。」

ラーニングツリーヘの依頼は、まずトライアルとして初級を1回。その後、初級に加え中級も開催という内容でした。9月に研修メニューの策定を開始し、依頼先選定並びに決定を経て、11月に第1回目の研修を実施しました。

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全社員を対象に挙手制で募集

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2020年11月にトライアルとして行ったPM研修初級に続き、2021年1月に初級、2月に中級、4月に初級を実施しました。研修対象者はどのように設定し、参加者はどうやって決めたのでしょうか。

「研修の場合、参加者は会社指名と挙手制があります。今回はモチベーションを持って受講してほしいので、挙手制にしました。社会人のベーススキルとしてプロジェクトマネジメントスキルは必要だと思っていますので、対象は全社員です。プロジェクトマネジメントに興味があり、勉強してみたいという社員を集めることにしました」(小林氏)

「職種のしばりはありませんでしたので、エンジニアだけではなく、企画とか営業、人事のメンバーも毎回研修に参加しています。全員に『どういう思いで参加したいのか』を記入してもらい、それを研修での質疑や講師への事前インプットのよりどころとしました。実務でまさに困っているとか、こんなタスクをやっていかなくてはならないがどうやっていけばいいのか、という課題解決の糸口になればと考えました。」(二ノ宮氏)

PM研修参加者は一般的にエンジニアが多いが、DeNAでは全社員が対象と非常に幅広く、実際にエンジニア以外の社員が毎回参加しているところも特徴といえるでしょう。では、中級の参加者はどうやって選んだのでしょうか。

「挙手制なのは変りませんが、初級の研修内容を提示して、この内容のイメージが付く人としました。参加者は実際に業務でPMをやったことがある方が多かったようです。」(二ノ宮氏)

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PMの業務範囲の広さに気づく

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幅広い職種の社員が参加したPM研修ですが、どのような効果があったのでしょうか。

「初期のタイミングでAIエンジニアが受講し、所属部署に戻って『PM研修を受けてよかった』と発信してくれたことで、他のエンジニアも自分も受けたい、と波及効果がありました。これは他の部署も同様で、人事の社員も毎回受講するなど、受講希望は広がっています。」(小林氏)

具体的なPM業務については、受講した社員の反応はどうだったのでしょうか。

「いままで体系的に学ばずにやってきた人、自己流の人などが受講して、PMの業務範囲の広さに気づいたようです。例えば勘違いして発信していたり、品質管理やリスクの捉え方が違っていたり。リスクはネガティブなことばかりを考えてしまいますが、ポジティブな面もきちんと捉えていなければなりません。そうしたことを研修を通じて初めて知った人が多いようです。いままでのプロジェクトでは、能力があるがゆえにできしまい、それが勘違いにつながっており、きちんとわかっていたらできていたこともあるということを知ることができました。たまたまラッキーやリーダーシップ力でクリアしてきたことも、体系的に学ぶともっと楽にクリアできたことに気づくようです。」(二ノ宮氏)

「参加した社員はさまざまな気づきがあったと思いますが、それが数値となって現れるのはこれからだと思います。具体的なプロジェクトで変化が表れるのかは、きちんと見ていきたいと考えています。」(小林氏)

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第一歩を踏み出せるところまでをサポート

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実際のPM研修の内容、講師の質といった面ではどんな要望があり、実際の研修自体をどのように評価しているのでしょうか。

「まず第一歩を踏み出してもらいたいので、2日間という研修にどこまでメニューをいれられるのかは、悩みましたし相談させてもらいました。結果、初級と中級を設定することになりました。
参加者のコメント、応募する際の悩みについては、事前にラーニング・ツリーと講師の方と共有しました。講義の中で関連する話題に触れていただき、雑談の内容に含んでもらえたことはとてもよかったと思います。」(二ノ宮氏)

参加者からは「講師の話が面白い。」という感想もあり、そこで吸収したことを部署に持ち帰って話しているようです。

「いままで本当にプロジェクトマネジメントのことを知らないままでやってきたメンバーが、どうしたらいいのかというイメージを持ち、第一歩を踏み出せるところまでをサポートしてもらえたと感じています」(小林氏)

「1日目の研修が終ったときにアンケートを実施して、そこに書かれている内容を2日目に反映したもらえたことは、とてもよかったと思います。」(二ノ宮氏)

新型コロナウイルスの影響下での今回のPM研修はすべてオンラインで実施されました。オンラインでの実施についての不安はなかったのでしょうか。

「2020年の緊急事態宣言以降、弊社では働き方をリモートワーク主体に切り換えました。その背景がありますので、参加したメンバーにとってはオンラインの研修もスムーズにできたと思います。」(小林氏)

「私自身はオンラインでの研修を受講した経験がなかったので、目指したいゴールが伝わるかな、と言う心配はありました。同じ空間で受講している姿を見られませんので、個別の状況の把握ができるかも心配していました。
始まってみると、講師の方はオンラインでの講義に慣れており、さまざまな操作もスムーズでしたので、安心して受講できました。グループワークの際、Zoomのブレークアウトセッションという機能を使って5人1チームが4グループに分かれて議論や演習を実施しました。私はラーニング・ツリーから各グループに入れる設定をしてもらっていたので、何げなく各グループの進捗や盛り上がり具合が把握できるのはよかったと思います。オフラインの研修だと、各グループのテーブルを回ることになりますから、参加者はうっとうしいと思いますが、さりげなくできたのではないでしょうか。また、オフラインの場合、他のグループの盛り上がり具合が肌で感じられますが、オンラインでは難しいと思います。ところが2回目の研修では、他の通信手段で参加者同士が連絡を取り、他のグループの進捗度合を気にしている様子もあり、ライバル心があるんだなと感じました。」(二ノ宮氏)

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中級の上位レベルのPM研修も検討

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初級3回、中級1回のPM研修を終えたDeNAですが、今後の研修についてどのように考え、期待しているのでしょうか。

「PM研修を通じて、メンバーが知識やノウハウを身につけることに加え、部門を超えた横のつながりができることに期待しています、中級以上の研修に参加するメンバーはヘビーな案件の悩みを抱えていると思います。同じ重みを感じているメンバー同士がノウハウ共有や相談ができる、そのきっかけの場にもなるといいですね。」(二ノ宮氏)

「毎回定員以上の応募がありましたから、参加できなかったメンバーも大勢います。予算の関係はもちろんありますが、もっと学びたいという声もありますので、定期的に実施していきたいと考えています。ベテランのメンバーからはより複雑な案件に対応できる研修を行ってほしいという要望もありますので、中級の上も考えていきたいですね。」(小林氏)

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株式会社ディー・エヌ・エー様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました


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ラーニング・ツリー・インターナショナル株式会社
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