2025.09.18
【責任編集】ラーニング・ツリー
PMI ATPパートナー説明会からの考察(2025年9月5日開催) ― PMP®取得者数と資格制度の動向 ―
◆はじめに
2025年9月5日(金)、東京都中央区八重洲の TKP東京駅カンファレンスセンター にて、PMI ATPパートナー向け説明会 が開催されました。
本記事では、当日の説明会を聴講した弊社社員が、PMI公式サイトからリリースされている情報を元に、プロジェクトマネジメント資格の最新動向と日本市場への影響を整理し、自社公式ブログとしてご報告いたします。
◆世界と日本におけるPMP®資格の現状(2025年時点)
PMI公式サイトによると、PMP®資格保有者は世界で150万人以上、日本で5万2千人以上に達しています
【出典:PMI公式サイト Project Management Professional (PMP)®】。
PMP®は、PMIが展開する資格の中でも最も普及しており、世界150万人以上のプロフェッショナルが取得していることから、国際的な信頼性の高い資格として確立されています。
また、日本国内では2023年から2024年の1年で、PMP®資格保有者が3,346名増加しています。
◆2035年に向けたPM人材のタレントギャップ
PMIの公式レポート「Global Project Management Talent Gap」によると、2035年時点で約4,000万人の
プロフェッショナルなプロジェクト人材が必要とされているにもかかわらず、最大の成長シナリオでは、
約3,000万人のプロフェッショナルなプロジェクト人材が不足すると報告されています【出典:PMI Talent Gap Report】。
日本においても、PM人材の不足は同じ状況で、プロジェクトマネジャーの育成が急務とされています。
◆PMP®から派生する新資格ラインナップ
従来のPMP®資格は今後も中心資格としての地位を保ちますが、PMIは専門領域に特化した新資格の展開を進めています。
公式サイトには、以下のような資格群が公開されています:
(CPMAI)TM:AI分野におけるプロジェクトマネジメントを専門とする資格
(PMI-PMOCP)TM:PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に特化した資格
これらは、「PMP®+専門領域」という形でキャリアの方向性を示しています
【出典:PMI公式サイト Certifications】。
◆PMBOK®ガイド(※)第8版とPMP®試験への反映
現在PMBOK®ガイドは第7版であり、第8版のリリースは2025年中であることが予想されています。
(※)PMBOK® とは・・・Project Management Body of Knowledgeの略で”ピンボックやピーエムボック”
と呼ばれています。
改訂内容として、以下が挙げられています:
https://www.pmi.org/standards/about
・最新の業界動向やトレンドを反映した内容の導入
・用語や定義の見直し
・技術的な作業方法や職務/活動に関するガイダンスを提供する、進化したプロセス群の再導入
・プロジェクト原則とパフォーマンスドメインの強化
・インプット・アウトプット・ツールとテクニックの記述を簡素化
※上記記述はPMIウェブサイトに記載を弊社が翻訳したものになります。
これまでのPMBOK®ガイド変更の際、PMP®試験問題への反映は数か月~1年程度でした。
今回も同じ程度の期間が設けられる可能性があり、例えば2025年12月に第8版へ改訂の場合、2026年4月~12月の期間で試験問題に反映される可能性があります。現在第7版でのPMP®試験対策をされている方は、このスケジュールを考慮する必要がございます。
まとめ ― 2025年以降の展望
・PMP®は世界150万人以上、日本で5万2千人以上が取得している中核資格であること。
・専門領域に対応した資格(CPMAI)TM、(PMI-PMOCP)TMが登場し、PMキャリアの幅が拡大していること。
・PMBOK®ガイド第8版の改訂が進行中であること
今後のプロジェクトマネジメントの実践においては、資格取得支援や研修だけでなく、第8版を踏まえた教育内容へのアップデートが求められます。当社はこれらの変化に対応する研修および支援を通じて、企業のプロジェクト推進力の強化に貢献してまいります。