2025.06.09
【責任編集】ラーニング・ツリー
プロジェクトマネジメントの基本と成功のポイント
◆ はじめに
現代のビジネス環境では、業種・業界を問わず「プロジェクト」という単位で業務を進めることが一般化しています。新規事業、製品開発、IT導入、人事制度改革、販促キャンペーンなど、目的・予算・期限をもった一連の活動すべてが「プロジェクト」です。こうした環境下で「プロジェクトを成功に導くスキル=プロジェクトマネジメント(PM)」は、経営層から現場のリーダーまで全てのビジネスパーソンにとって欠かせない武器になっています。
本記事では、プロジェクトマネジメントの基本概念と、成功するための3つの実践ポイント、さらに個人・組織でできる具体的な小さなアクションをご紹介します。
◆ プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、「特定の目標を達成するために、一定期間・限られたリソースで、計画的に物事を進めるためのマネジメント技法」です。PMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、プロジェクトを以下の5つのプロセスに分類しています:
立ち上げ(Initiating)
計画(Planning)
実行(Executing)
監視・コントロール(Monitoring and Controlling)
終結(Closing)
このサイクルをしっかり設計し、各段階で適切なマネジメントを行うことで、プロジェクトの成功確率が大きく向上します。
◆なぜプロジェクトは失敗するのか?
これまで様々な分析が出ておりますが、ITプロジェクトの失敗要因の上位は以下の通りです:
要件定義の不備
進捗管理の不備
コミュニケーション不足
成功している企業ほど、これら3つを意識的にマネジメントしています。
◆ 成功のための3つの実践ポイントとアクション
① ゴールとスコープを明確にする
プロジェクトが始まる際、「何のためにやるのか」「どこまでを対象とするのか」が曖昧なまま進めてしまうと、途中で目的がぶれたり、関係者の認識にズレが生じます。
●アクション例:
プロジェクトの冒頭で「スコープ記述書(Scope Statement)」を作成する
「やること」だけでなく「やらないこと」も明記する
全メンバーとスコープを共有し、納得感を持ってスタートする
② リスクマネジメントを導入する
プロジェクトには常に「不確実性」が伴います。納期遅延、人員不足、技術トラブル、顧客の要望変更など、予期せぬ出来事に備えるための「リスク管理」は、成功への重要な鍵です。
●アクション例:
キックオフ時に「リスク洗い出しミーティング」を開催する
リスク一覧表を作成し、発生確率と影響度でランク付けする
毎週1回、リスクレビューの時間を設け、対策を継続的に更新
③ コミュニケーション設計を行う
関係者間の情報の行き違いや伝達ミスは、プロジェクトの混乱や停滞のもとになります。誰が何を・いつ・どのように伝えるのかを事前に設計しておくことが重要です。
●アクション例:
プロジェクトチャットツール(Slack/Teams)に目的別チャンネルを設定
日次・週次の定例ミーティングで共有事項を確認
1分で読める「ウィークリーサマリー」メールをマネジャーが作成し、関係者に展開
◆ まとめ
プロジェクトマネジメントは、決して一部の専門職だけが持つべきスキルではありません。むしろ、全てのビジネスパーソンにとって共通言語として理解しておくべき基礎能力です。
プロジェクト成功の鍵は、「目的を明確にすること」「不確実性に備えること」「チーム内外の連携を設計すること」。この3点を押さえれば、どんなプロジェクトでも成功への確率を大きく高めることができます。
今日からできる「小さな一歩」から、あなたのプロジェクト力を高めていきましょう。
お役立ち資料:プロジェクト開始時のチェックリスト