2022.08.10  【責任編集】ラーニング・ツリーラーニング・ツリー ベテラン講師が語るシリーズ(5)
“プロジェクトマネジメントを学習する”

実務家講師が伝えたい、受講生へのヒント

ラーニング・ツリーで長年プロジェクトマネジメントやビジネスアナリシスの講義を提供してこられた講師が、受講生に伝えておきたいヒントをご自身の経験をもとに書いてくれました。

第五回目の内容は “プロジェクトマネジメントを学習する” です。

学習する、というと皆さんの中には「すでに学んでいるし、うまくマネジメントしている」といった声も聞こえてきそうですね。しかし、学習は常に行っていきたいものです。その背景には、以下のような組織の要求があります。

  ・より大規模の案件を実施してほしい

  ・多くの他部門や外部委託先が絡む複雑な案件を実施できるようになってほしい

  ・技術を知らない、あるいは新規顧客案件でも担当してほしい

また、そもそも我々PMの一つ一つの決断、意思決定が多くのステークホルダーの活動を制約することになるからです。言ってみれば生活を左右することになります。

多くのプロフェッショナルが「明日はより良いもの」を生みだしたいと研鑽する話をよく聞きます。マネジメントの面でも明日は今日よりよいものを、です。

一緒に行ったプロジェクトが終了して他の部門のプロジェクトに参加した開発者が「この案件の参加者は終電間際の電車で帰る人が多い」と漏らしたことを思い出します。深夜勤務を続けざるを得ないプロジェクトはどのような計画だったのでしょうか?

要員の質や数は?予算は?要件は明らかで関係者は納得していたか?技術スタッフは?

計画立案は開発者が参加して、納得していたのだろうか?関係者からの要求を丸のみ?

どのような要求、あるいは圧力(有言、無言いずれにせよ)があったにしても、結果的にプロジェクトを開始したのならば、「PMの作成した計画」に間違いがないわけです。開発者はその決断の影響を受けているのです。責任を持たなくてはなりません。

こうした背景から、よりよいプロジェクトの遂行のためには「継続的な学習」が必要ですが、皆さんはどのように学習を進めていますか?

プロジェクトマネジメントに直接関係する書物を学習するのはまず第一歩と思います。PMBOKは代表的なものですね。PMIからは他にもいろいろ出版されています。基本的な考え方や手法が学べます。

経験を学習することも必要です。社内の部門会議や経験発表会など、他のPMの方の経験を聞く機会があると思います。純粋に経験談を聞く「場」ではなくとも、他の案件の話を聞く機会は多いことでしょう。その際に自分にとってどうか、というように聞いていれば他PMの多くの知見を自分のものにしたり参考にしたりできると思います。

3点目はマネジメントスタイルの学習です。これはPMを行っていくときの土台になるものですが、最初に組織の要求として挙げたことにこたえていくには、非常に大切なものになると思います。

マネジメントとはという視点では、ドラッカーの書物が非常に参考になります。ドラッカーの本はPMに向けたものではなく経営管理者向けのものですが、経営管理者をPMと読み替えれば、多くの内容が参考になります。「経営者の条件」「経営者に贈る5つの質問」「プロフェッショナルの条件」「マネジメント」など、手に取ってみて参考になるものを読んでみてください。多くのものが得られると思います。

実務家で長年講師をしてきた経験が語るヒント:プロジェクトマネジメントを学習する

あまりにも率直なタイトルで“学習する”ですが、講師も書いているように、学習には終わりがありません。PMBOKも第7版が出たりしており、新しい動向も”学習“ですが、講師の記載している経験の学習はより皆さんに直結するものになるのではないでしょうか。働き方も変わってくる中、先輩からのアドバイスを聞く機会も減り、ある程度経験を積まれた皆さんは自己学習をする事でよりスペシャリストのPM(プロジェクトマネジャー)になっていくしか方法が無いかもしれません。

ラーニング・ツリーの研修には上級プロジェクトマネジャーを対象にしたコースや一社研修で提供されるフォローアップ研修等で他のPMの経験談を得ることができます。

この記事を読んだ方へお勧めの講座

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