2022.07.28  【責任編集】ラーニング・ツリーラーニング・ツリー ベテラン講師が語るシリーズ(3)
 “「強い」プロジェクトチームを作る”

実務家講師が伝えたい、受講生へのヒント

ラーニング・ツリーで長年プロジェクトマネージメントやビジネスアナリシスの講義を提供してこられた講師が、受講生に伝えておきたいヒントをご自身の経験をもとに書いてくれました。

第三回目の内容は “「強い」プロジェクトチームを作る” です。

「強い」プロジェクトチームとはどのようなものなのか?皆さんはイメージがありますか?チームが「強い」とはいわば個人個人の弱みが薄くなっていくが、強みは更に強くなるといったイメージです。多くの天才は何らかの強い欠点を持つというようなことを聞きます。技術に長けた人ほどそのような可能性を秘めているともいえるでしょう。だからチームとしては扱いにくい存在ともいえますが、持っている技術や専門性はプロジェクトチームには大切なものです。個人個人が持っている強み、弱みはそのままチームに反映されるというよりも、何らかの手を打たなければ、自分の強みを誇るあまり自分の持つ課題には目をつむり、課題は周りが許して当然と思っての行動は各人の弱みをさらにひどくしてチームとしては統制の取れない状況にすることでしょう。これでは「弱い」チームです。

そこから「強い」チームを作っていきたいものです。

「強い」チームとはどのようなものか?先に個人個人の弱みが薄くなり、強みがさらに強くなると述べました。さらに見ていきましょう。

それはメンバーのスキル経験に多様性があり、自立心が強いが互いに自由に話せる、信頼しあい協力間関係がある、そんなチームをイメージしています。年齢の上下も上下関係もなく、自由闊達に話せれば、互いに気の付いたことを話せます。

何かおかしいな、他の考え方もあるよね、この面は考えてないけどいいのかな・・・

そうした話が出てくれば、チームで検討ができます。いくら経験豊富なPMでも専門家でも一人の頭で考えられることは知れています。こうした「異見」を言い合えること、検討できることが大切で、それがプロジェクトのプロセスを正しく行わせる原動力になると思います。「強い」チームならではですね。

PMによる上位下達は一見統制の取れた、一丸となったチームの様に感じられますが、その実態は危ういものと思えます。メンバーは納得感を持って動いているのかという点です。反論や意見を言いたくても言えなくて、納得感を持っていなければ持てる力を発揮できにくいと思います。

毎日新聞(2021年6月15日付け)の記事に米IT大手グーグルで「最高のチームを作る要素」を調査した結果が載っていました。業績を上げるチームの特徴として共通な点は

 ・全員がほぼ等しく発言する

 ・他者の気持ちを読み取り互いに配慮ができる

でした。決して「外交的で高い業績を持つ個人を集めたチーム」ではなかったのです。

こうした「強い」「最高」のチーム、業績を上げるチームを作るのはPMの仕事です。PMにしかできません。

PMとしては、プロジェクトの最初にこうしたチーム運営の考え方を話し、メンバーの「異見」を尊重し、話しに来たメンバーにはまず耳を傾ける、あるいは立ち話で気になったことを積極的に対応してメンバーを支援するなどを実践していきたいものです。

実務家で長年講師をしてきた経験が語るヒント:強いプロジェクトチーム

プロジェクトはPM(プロジェクトマネジャー)だけでは動きません。必ずチームで動きます。プロジェクトのチームメンバーもその仕事に仕方を学んでもらう必要もありますが、PM(プロジェクトマネジャー)がマネジャーという言葉どおり、プロジェクトを管理し、チームを作る役割も担わなくてはいけないという事を改めて再認識する事の重要性を講師経験の中から書かれたものです。

PMを始められる方にとって、大きなヒントになるのではないかと思います。

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