2022.02.24  【責任編集】ラーニング・ツリープロジェクトマネジメントは何時から勉強するべきか

プロジェクトマネジメントには個人が受けるべき資格試験もあり、会社としての対応能力を示すレベル分けなども存在しており、会社として評価を受けるものもあります。

個人として資格を取るためには、資格管理団体にもよりますが、日本で一番多くの資格者がいるとされるPMP(Project Management Professional)の資格などは、PMBOKと呼ばれるガイドブックを勉強し、受験資格となるプロジェクトに関わった経験や、試験を受けるために必要な講習を受けたことを示すポイント(詳細は別途)なども必要となる大変なものです。

このブログを読む人たちの中には、既に資格を持っている、またはその勉強をされている方も多いと思いますが、そういった方々も含め、 “プロジェクト”に関わった事のない社会人はいるか?の質問にたいしては、ほぼすべての社会人は関わった事があるのでは?と答えると思います。つまり、全ての業務はプロジェクトであり、多くの従業員が意識しているかいないかに関わらずマネジメントをされているメンバー、またはプロジェクトチームの一員であるという考え方を理解されるのではないかと思います。また、そのプロセスを意識しないでも必要に応じてそれに準じるマネジメントをされていた方も多いと思います。

プロジェクトの定義とは

では、“プロジェクト”とは何をいうのでしょうか?

PMBOKガイド第6版では下記の様に定義しています。

・プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務である。

つまり、下記2つに当てはまるものの全てがプロジェクトであると言えます。

1) 独自性のある業務である事。
2) 期限のある業務であること。

思い返して貰えれば想像がつくと思いますが、新入社員が各部門に配置されてから実際に行った業務の一つ一つすべてがプロジェクトではないですか?

ただ、プロジェクトとは言えない業務というのもあります。それは定常作業に分類されるもので、スーパーでのレジ対応や、窓口業務など手順に従って行う、期限のないものはプロジェクトとはなりません。

意識しないでプロジェクトマネジメント手法をやっていた?

新入社員研修を終えた社員が与えられた業務を実施するときには、いくつも失敗を経験すると思います。また、その失敗を繰り返さないように、先輩からの指導を受け、自分の業務の行い方を見直し、経験を積んでいくことで出来ることが増えていった。。。皆さんも同じような経験があるのではないですか?

では、皆さんは、どの様な失敗をしましたか?

・仕事の内容を間違って理解していた。
・納期に間に合わない事が発生しがちだった。
・問題の報告が遅れた、または報告できずに自分で抱え込んでいた。

これらを自分で解決しながら、(または、先輩や同僚に教えて貰いながら)仕事が出来るようになってきたと思いますが、出来るようにしてきたこれらすべては“プロジェクトマネジメント”の一つ一つのプロセスの要素なのです。

つまり、知らず知らずのうちにプロジェクトマネジメントの手法に準ずる対応を個人で考えて行っていたと言えます。

新人教育が終わってすぐにプロジェクトマネジメントの勉強をすべきか?

では、新人教育が終わったら、すぐにプロジェクトマネジメントの研修を受けるべきですか?

Yesでもあり、Noでもあります。

考え方は、色々あると思いますが、私(個人)は、少なくとも新人で入社した場合、3-4年の業務経験を持ったうえで勉強をする方が良いと考えています。

勿論、最初からPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)等で業務を開始するのであれば別ですが、業務プロセスとも言えるプロジェクトマメジメントの勉強は、その基礎となるコミュニケーションや、日本特有の組織論、顧客又は上司との関係性を理解・経験し、自分や関係する他人の業務遂行能力に対しての判断基準を持ったうえで勉強したほうが良いと思います。

プロセス重視のPMBOK第6版や、さらに様々に変化する要件に対応する事が要素として入ってきている第7版など、知識だけでは失敗する事が多いプロジェクトであるからこそ、勉強する時には、きっちりと“腹落ち”するだけの経験をもった方がその後の業務に生きてくると考える為です。

入社後3-4年した人はすべてプロジェクトマネジメントの勉強をすべき

逆に言えば、入社後3-4年経たれた方は、全員が“プロジェクトマネジメント”の勉強をすべきだと考えます。

入社後、自分で工夫し、自分なりにマネジメントしてきたやり方を、改めて整理し、より有効なツールや、万国共通なルールがある事を理解することで、今後より大きなチーム、異なった文化を持つ海外と協力するチームで仕事を行う場合でも自身をもって臨めるようになるはずです。

まずは、プロジェクトそのものが何を目的にしているのかを確認する作業を行う事の重要性を確認する。プロジェクトの遂行にあたりプロジェクトに必要な業務を分解しその中で、自分が果たす役割と作業の流れを確認し、スケジュールを共有する。さらに、作業にかかる見積りを意識する。

などなど、改めて自分の業務の進め方を見返してもらういいタイミングだと考えます。

弊社、プロジェクトマネジメント基礎コースでは下記を理解してもらいます。

コース内容

プロジェクトマネジメントの用語と概念

  • プロジェクトマネジメントの用語
  • プロジェクトの制約
  • プロジェクトマネジメントのライフサイクル

プロジェクトスコープの定義

  • プロジェクトの妥当性と開始
  • プロジェクトの目標と目的

作業の特定と見積り

  • ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)
  • プロジェクトの見積り
  • 三点見積り

作業のスケジュールとタイムラインの作成

  • ネットワークダイアグラム
  • ガントチャート

作業の委任とプロジェクト計画のベースライン

  • リリース計画
  • タスクの委任
  • プロジェクト計画のベースライン

プロジェクトの実行とコントロール

  • 進捗の監視
  • 進捗の分析
  • 修正
  • コミュニケーションの状況

プロジェクトの終結

  • 教訓
  • プロジェクトの終結

演習の内容

ケーススタディと小グループでのワークショップを通じて、1つのプロジェクトを計画・遂行。

  • 5Wマインドマップを使ったブレーンストーミング
  • WBSの作成
  • ネットワークダイアグラムの作成
  • 教訓

ラーニング・ツリー・インターナショナルのコースでは上記の次に、 “上級”プロジェクトマネジメントを行える人員になってもらえる内容も提供しています。

この記事を読んだ方へお勧めの講座

【オンサイト(一社)研修】1日で学ぶプロジェクトマネジメントの基礎│ラーニング・ツリー・インターナショナル (learningtree.co.jp)

【オンサイト(一社)研修】上級プロジェクトマネジメント│ラーニング・ツリー・インターナショナル (learningtree.co.jp)

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