2022.02.14  【責任編集】ラーニング・ツリー“基礎”とは異なる“上級”プロジェクトマネジメントとは

日本にはあまたの“プロジェクトマネジメントの基礎”なる研修があります。また、“プロジェクトマネジメントの資格及び資格を取るための研修も多くあります。
プロジェクトマネジメントに関連する資格も多くありますが、代表的な資格は下記2つがあります。

  • PMP(Project Management Professional)
  • PM試験(情報処理技術者試験プロジェクトマネジャ)

さらに、初心者が混乱する言葉として、PMBOKとITILという体系群もあります。

これらの違いなどについては、別な機会に説明するとして、“プロジェクトマネジメントの基礎“についての研修は多くありますが、”上級“とついた”プロジェクトマネジメント“研修は多くありません。
では、この“上級”となる“プロジェクトマネジメント”とはどのような内容で何故必要とされているのかについて記載していきたいと思います。

CMMIはプロジェクトマネジメントの何のレベルを表すのか?

プロジェクトマネジメントのレベルを表すものとしてCMMI(Capabiity Maturity Model Integration)といわれるものがあり、5段階で評価する指標があります。
これは、組織としての成熟度及び能力度を表すレベルとされており、会社としてのプロジェクトマネジメント力として外部から評価される目的で認定を取る会社もあるようですが、認定を取るために多くのお金がかかり、しかも3年毎に更新が必要です。そのため、あまり広く普及しているとは言い難い面もあるようですが、それぞれのレベルの定義を見ておく事は意味が有るかもしれません。

レベル1 (Initial)初期
レベル2 (Managed)管理された
レベル3 (Defined)定義された
レベル4 (Quantitativery Managed)定量的な管理がされた
レベル5 (Optimized)最適化された

詳細は個々に確認して頂きたいと思いますが、一般的にプロジェクトマネジメントを行う会社のほとんどはレベル2またはレベル3であると言われています。

レベル2:はプロセスの基本が確立されている状態でプロジェクトマネジメントを組織として動かすことが出来るレベル。
レベル3:はプロセスが標準化された組織とされ、プロジェクトマネジメントを動かすことに精度を持って対応が可能なレベル。つまり、スケジュール管理やリスク管理に注意を払うだけの経験を持つことが出来るレベルといわれます。
レベル4:はプロセスの積み重ね経験値があがり、定量的に管理が出来るレベルです。 つまり、スケジュールやリスクを完全にクリアし、品質までも許容可能な品質である予測が出来るレベルになる。つまり、プロジェクトマネジメントにより提供される成果物が安定して提供し続けられるレベルという事です。

上級プロジェクトマネジメント研修は何故必要なのか?

上記CMMIのレベル認定を取るか否かは別として、プロジェクトマネジメントでプロジェクトを動かしても成功しなかった率はまだまだ高いと言われます。

失敗している原因として複数の理由を挙げてもらうと下記が列挙されます。
1)要件定義が不十分     35.2%
2)企画が適切でなかった   31.8%
3)追加の開発作業が発生   64.4%
4)追加の設計作業が発生   53.7%
5)見積りが甘い       37.3%
6)リスクマネジメント未実施 52.7%

出典:ITプロジェクト実態調査 2018,日経 xTECH/日経コンピュータ,
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00177/

つまり、プロジェクトマネジメントを知っており、プロセス通りに動かしても問題が多く発生している状況であると言えます。 ここで、改めてプロジェクトマネジメントの上級として実際にプロジェクトマネジメントを行うにあたり必要な内容が見えてきているのです。

上級プロジェクトマネジメント研修で何を学ぶべきか?

勿論、皆さんはプロジェクトマネジャ、又は経験を積んだプロジェクトメンバーとして活躍をされていますが、下記項目自体についてはイメージが付くと思います。

ポイントはそれぞれの項目ごとに再度問題を起こさない為に何をすべきか、実際の現場であった問題は何であったのかを再度確認しておくことが重要です。

プロジェクトの立ち上げ

  • 顧客を理解する
  • ステークホルダー・マネジメント
  • プロジェクトの目的、目標
  • 体制確立とプロジェクトマネジメントの計画書
  • 契約


プロジェクトの遂行と完了

  • マイルストーン・ベースの計画の策定
  • 要件定義フェーズ
  • プロジェクトのコントロール
  • プロジェクトレビュー
  • プロジェクトの終結


不確実性に対処する

  • リスク・マネジメント
  • クライシス・マネジメント


組織と資源

  • PMO(プロジェクトマネジメント・オフィス)
  • チームダイナミクスとモチベーション
  • プロジェクト・マネジャーの役割


実際の経験を持っておられるからこそ、
1)ステークホルダーの役割を知るだけの“基礎”では無く、ステークホルダーをどのようにマネジメントするのかを“上級”で再度確認をする。
2)“基礎”では研修内容に入ってこない契約についても“上級”で研修を受ける。
3)失敗する原因の“リスク”や“要件定義”も知っているだけではすまされません。
4)問題が発生したときにどうすべきであったのか“上級”では見積りで見つかる甘さからくるスケジュール、予算超過への対応も必要項目として再度認識しておくのが良いと思います。
5)など、など

ラーニング・ツリー・インターナショナルのコースでは上記項目を改めて演習を通して“上級”プロジェクトマネジメントを行える人員になってもらえる内容を提供しています。

プロジェクトで失敗した経験を持つ人、より大きなプロジェクトを動かす必要がある人は是非ご確認ください。

この記事を読んだ方へお勧めの講座

【オンサイト(一社)研修】上級プロジェクトマネジメント│ラーニング・ツリー・インターナショナル (learningtree.co.jp)

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